ユダヤ人 - Birkenau 4
昼もとうに過ぎ、ようやくビルケナウの全体を見渡すことができ、死の門のある入り口に戻ってきた。そろそろ第一収容所に行かなくては時間が足りなくなってしまう。
前からそうだけれども、ユダヤ人というとどうも距離を置いてしまう自分がいる。目の前の人がユダヤ人かどうかなんてすぐにわかるものではない。とはいえ帽子にヒゲ、もみあげの人は近寄りがたいし、崇高な感じもしてしまう。それはやはりキリストを迫害していた時代のユダヤ人像が僕の中にあるからだろうか。気高く伝統を重んじ、規律に厳しいようなイメージ。
その反面、自分たちの国を失い、ナチスに迫害されていたことを思えば、そこから生まれる他者を敬う気持ちはキリスト人よりも大きいのではないか? と考えたり。それとはまた別に、ナチスのやってきたこととパレスチナでのことと、どれだけの違いがあるのか?
そんなことを考えていると入り口前に団体がいた。なんと彼らはデカデカとしたイスラエル旗を持っているではないか! いままでどことなく躊躇しがちだったユダヤ人がここにいたら、思い切っていくしかない。
カメラを向けると友好的な彼ら。そしておだてると少しハニカミながらも笑顔で写真を撮らせてくれる。場所が何かを物語るようだが、人として何も変わらず普遍的だと教えてくれたようだ。人の本質や求めるものは大して差がないということ。僕の旅はそれを確認するためのものだということを改めて想った。







