上映日前日のリド。ヴェネツィアに入ったばかりの監督、出演者、スタッフが揃った中、全員で夕食をとっていた。そこではイタリアで映画を撮っている僕の紹介もあったような? 電車の遅れもあり結局その場には間に合わなかった。
場がお開きになって解散しようというところにかけつけると、そこにはオダギリジョーさん。そして後からわかったのだが大森南朋さんがいた。おそらく蒼井優さんもいたのだろうが、先日お会いした蜷川さんと阿部さんの派手さに目を奪われていた。
プロデューサーの小椋さんはプレスや審査員向けの上映会に行ってしまい、他、誰が誰だかさっぱりわからない日本人グループに混じって、知人の K さんと 2 次会へと進む。ホテルエクセルシオールに入り、軽く飲みに入るが、誰と挨拶したらいいのかわからず立ち尽くす。大友克洋監督と同じテーブルに座った僕は、下手に声もかけられず話を聞いていた。
アニメの巨匠が実写を撮った事に興味があった。落選してのインタビューで「いろいろ反省する点もあったが、最後の拍手はありがたかった。反省点? それは内証」とコメントしていたが、この飲みのときに言っていたのが (バラしていいのだろうか?)、完成品を見て「ここを切ればよかった」と思うところも多々あったそうだ。撮影期間中も「カット、OK」を出しても「本当にこれでよかったのかなあ」と絶えず悩んだらしい。人間大友を見た気がするとともに、僕らとも同じレベルで制作している事に共感を覚えた。生きるために生きている人とは話題探しが大変だが、こういう人たちとの話は、日常的に抱えているものが彼らとは異なっているから話が面白い。初対面で深い話をしても通じる。
大友さんには大した印象も残せずリドを離れ、K さんともう一人のスタッフと打ち合わせに行く。K さんと会うのは 3 年ぶりだが、仕事ぶりを見るのは初めてかもしれない。彼のいる現場ならやってみたいと思わせられた。自由にやらせてもらえそうだったから。

リド島のホテル・エクセルシオール、ロビー奥のテラスにて
一番左が大友監督、隣りに奥さん、右端は蜷川さん