イタリアンスマイルズ

  •  こちらのブログはイタリア在住の映像作家池田剛の撮影する映像とエッセイを掲載しているものです。製作中の映画「GLI ARTIGIANI」の映像を始め、イタリア各地の心温まる映像ビデオポッドキャスティングという形でお届けしています。

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2011年1月 9日 (日)

リアルゲットー

 ヴェネツィア映画祭の時期、本島の少し裏通りにあるゲットーに足を踏み入れた。

 このブログでもたまに話題に上るユダヤ話ですが、いわゆる世にゲットーと呼ばれる元締めがココであります。

 僕にとってのユダヤ人はいつもながら二面性を感じるわけでして、ホロコーストで迫害されてきた一面と、2000年前の権威の象徴を掲げる一面。

 正統派なスタイルの人がいれば、ラフな人もいて、それはそれは両極端なわけで、いつもどうやって関わっていくべきなのか迷う。

 このゲットーは観光地のようでいて、そうでもないような感じもしていて、レンズを彼らに向けてもいいのかすらもよくわからなかった。が、シナゴーグから出来てきた人にカメラを向けていると撮影を止められ、画を消させられた。

 彼らも気分は良くないだろうが、別に規制される必要もなく、そういう意味では一般の人からの介入に気分を害した。やっぱり彼らも「人の子」であって、特別な存在と「聖別」することもないのだろう。妙に崇高に感じてしまう、それは逆差別だったのかもしれない。

 それはいまのイスラエルを見れば単純な答えかもしれない。


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2006年9月16日 (土)

ヴェネツィア国際映画祭 5

 滞在最終日。イタリア国鉄の遅れのせいで僕が向かえなかった K さんが大森さんに招待されているというパーティを切り上げてでも、僕との待ち合わせに来てくれた。K さんもそこまでして誰と会うんだ? と皆に突っ込まれていたらしい。そしてそこまでして僕が彼と会おうとしていたのは何故か?
 それは僕と真逆な彼の考え方にある。彼はもともと演出をやっていて、ぴあでも記録が残っているくらい才能がある人だが、いまはプロデュースにまわって、お金になる映画製作をしている。いわば最近の新しい映画界を支えているイケイケ部門。インディーズをかげで盛り上げているのは彼である。金儲けの映画製作に徹していて何が悪い? といいきる。プロデュースを完璧にやりこなしている。僕にない面を提示して見せてくれる。僕が持ち合わせていればもっとうまくいくはずなところを持っている。捨てることを知っている。それでいてとのつきあいを大切にしている。でなければ僕なんぞと会うはずもない。
 K さんともう一人僕のよく知っている F プロデューサー。僕が言うのも失礼な話だが、同じプロデューサーでも好対照な 2人。僕はどちらかといえば F さんタイプ。K さんの会社で経験を積んでみたいと思う反面、本気でやるなら Fさんとやりたいと思っている。映画は夢物語ではない現実のものであるが、その夢の部分を理不尽なくらいに愛している
 K さんのところはコンスタントに製作していて海外にも目が向いている。理想的だけれども、根本的なところで僕が目指しているのはそこではない。それを強要するような言い方をしなかった K さん。彼の言いたい事は何となく見えたけど、いまの僕にしかできない事もたくさんある。それも彼は認めてくれていた。


サン・マルコ寺院横にて筆者自ら撮影

2006年9月15日 (金)

ヴェネツィア国際映画祭 4

 公式上映翌日。各賞の発表日。既報通り日本の作品はすべて賞をとれず。プロデューサーからは期待の持てる事をいろいろと聞いていたものの、残念な結果に終わった。コンペに参加して賞をとれれば最高だと、僕も嬉しかったが。。また次回、僕がフルで参加できるときまでとっておいてもらう事にしよう。いやいやその前に僕がレオンドーロを獲らねば!!
 と、残念パーティが行われている場所まで行った。なんて言えればいいものの、本島から離れたホテルも一つしかない島でやっているという。どんなに頑張ってみても3分といられない気もしたので、とにかく残念の気持ちだけ送ることにした。



2006年9月14日 (木)

ヴェネツィア国際映画祭 3

 上映日当日。レッドカーペットは NG でも上映は見られると思っていた。結果はすべて天命だと思う事にして、バポレットに間に合わなかったとかの細かい事は気にしない様にした。レッドカーペットは 9:30。上映は 10:00 から。最悪レッドカーペット上のスタッフから、一般客にまぎれている僕にチケットが渡される、などという案もあった。しかし僕が到着したのは 10:30。そしてチケット売り場に行くと「もう遅い」天命であると考えると、ここには運がないのか? もしくは自力で舞い戻れというのか? いろいろな不安はしまっておいて、道は自ら開くもの。僕はここにいるだけ運がいいのだ。
 スタッフに電話しても出ない。当然だ。ピザを食べ会場のまわりを歩いていると、中国人がカーペット前に集まっている。何の映画だ? しばらく待っているとあの映画スター、ジャッキー・チェンが笑って登場する。うーん。これは不運とひきかえのプレゼントか?
 ジャッキー・チェンも引っ込んで「蟲師 (むしし)」の上映も終わった頃、スタッフに電話をするが、まったく通じない。何度電話しても日本の携帯に電話しても出ない。どうしようもなく帰りのバポレットの時間にもギリギリまで電話し続けた。これで最後にしようとした電話でようやく呼び出し音が鳴り、居場所を聞く。がホントに挨拶をするくらいの時間しかなく、正にトンボ帰り。何の力にもなれなかった憤りを、ここまで費やした自分の根性で覆いかぶせることにした。挨拶出来たスタッフからかけられた声だけが僕を癒してくれていた


レッドカーペット

2006年9月13日 (水)

ヴェネツィア国際映画祭 2

 上映日前日のリド。ヴェネツィアに入ったばかりの監督、出演者、スタッフが揃った中、全員で夕食をとっていた。そこではイタリアで映画を撮っている僕の紹介もあったような? 電車の遅れもあり結局その場には間に合わなかった
 場がお開きになって解散しようというところにかけつけると、そこにはオダギリジョーさん。そして後からわかったのだが大森南朋さんがいた。おそらく蒼井優さんもいたのだろうが、先日お会いした蜷川さんと阿部さんの派手さに目を奪われていた。
 プロデューサーの小椋さんはプレスや審査員向けの上映会に行ってしまい、他、誰が誰だかさっぱりわからない日本人グループに混じって、知人の K さんと 2 次会へと進む。ホテルエクセルシオールに入り、軽く飲みに入るが、誰と挨拶したらいいのかわからず立ち尽くす。大友克洋監督と同じテーブルに座った僕は、下手に声もかけられず話を聞いていた。
 アニメの巨匠が実写を撮った事に興味があった。落選してのインタビューで「いろいろ反省する点もあったが、最後の拍手はありがたかった。反省点? それは内証」とコメントしていたが、この飲みのときに言っていたのが (バラしていいのだろうか?)、完成品を見て「ここを切ればよかった」と思うところも多々あったそうだ。撮影期間中も「カット、OK」を出しても「本当にこれでよかったのかなあ」と絶えず悩んだらしい。人間大友を見た気がするとともに、僕らとも同じレベルで制作している事に共感を覚えた。生きるために生きている人とは話題探しが大変だが、こういう人たちとの話は、日常的に抱えているものが彼らとは異なっているから話が面白い。初対面で深い話をしても通じる。
 大友さんには大した印象も残せずリドを離れ、K さんともう一人のスタッフと打ち合わせに行く。K さんと会うのは 3 年ぶりだが、仕事ぶりを見るのは初めてかもしれない。彼のいる現場ならやってみたいと思わせられた。自由にやらせてもらえそうだったから。


リド島のホテル・エクセルシオール、ロビー奥のテラスにて
一番左が大友監督、隣りに奥さん、右端は蜷川さん

2006年9月12日 (火)

ヴェネツィア国際映画祭 1

 第63回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に正式出品されている映画「蟲師 (むしし)」スタッフに知人がいたので声をかけてもらえた。イタリアに来て5年、最初リドに行ったとき自分の作品で戻ってこようと思っていたら、思わぬ形で戻ってくることになった。
 知人は上映日直前にヴェネツィアに来ることになっていたが、プロデューサーが先乗りで来るという。久々の知人との再会より先にプロデューサーに挨拶を入れにサンマルコまでぶっ飛んで行った。
 ヴェネツィアに着いて連絡を入れると「食事をしよう」とレストランに案内された。レストランでテーブルに向かうと2人の女性が迎えてくれた。なんと一人は女優の蜷川有紀さん。そしてもう一人はアナウンサーの阿部知代さん。僕はなんちゅうところに出くわしたんだ? 4人でこじんまりとした中、話題の中心は何故か僕。TVのバラエティにでも出ているかの様に質問攻めにあった。
 映像の世界は基本体育会。体育会が嫌いな僕は業界が肌に合わないのは当然だ。僕の知人は厳しいものの中性的で人としての付き合いを尊重する。僕からすればかなり OK な人。そしてその彼の向こう側にいる人々も、多くを語らずともわかってくれるような、いい人ばかりだった。もちろん僕が外部の人間だというのもあろうが。。
 蜷川さんからは「相手の貴重な時間を割いて撮らせてもらっているのだから、彼らに報いるためにも美しい映像を残してあげなさい。失礼にならない様に」本気で当たれと。
 対して阿部知代さんからは日常生活の話をふられる。彼女は以前パリに住んでいたらしく「コシヒカリ」ならぬ「イタヒカリ (?)」というものが出回っていたらしい。日本食好きな僕もこれは知らず「いまはないと思いますよ」と答えると、すかさず蜷川さんが「興味ないのよ」これでカチンときた僕。何を言うんじゃコイツは? と思った次の瞬間、さすがのフォロー「映画にしか興味ないのよ」さすが修羅場をくぐり抜けてきた女優を思わせる言葉。プライドの高い人間の心のくすぐり方は天下一品だ。
 本当に短い時間の中、ろくな事も言っていないのに僕の現状をいろいろとわかってくれた。どう考えても普段とは異なる会話に違和感を覚えながらも、僕なんかに興味を持ってくれた事に感謝。そして出会いに感謝。僕の作品見てもらいますよ


映画「蟲師」公式ホームページ
「蟲師」〜ベネチア国際映画祭の旅

サン・マルコ広場横のホテル・ダニエリ、ロビーにて
左から阿部知代さん、池田剛、蜷川有紀さん、小椋悟さん

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