もちろんこの日もトリノのレストランで昼食をとるつもりでいた。このところ口にあう食にめぐりあうことのできない不運な日が続いているが、いつの日かやってくるであろう美食の日を待ち望んでいた。ここはスローフードの発祥地であるが、それ以外、食については特別な言われは聞いたことがない。博物館を見ているとあまり時間がないこともあり、そんなにレストラン探しなどする間もなく、博物館のすぐ隣りのレストランに入ることにした。
ここはピザとドリンクで 5ユーロという看板が出ていた。ヨーロッパはユーロが導入されてからユーロ高になり、物価も急上昇している。住んでいる僕らも生活には困難がともなうが、そんなご時世を反映してか、イタリアではピザとビールで 5〜6ユーロで提供するというキャンペーンが始まった、ということを少し前に聞いたことがあった。そういうレストランは本当にうまいのか? とちょっぴり不安になりながらも入店してみた。
きれいな店内。まともな応対。少しは期待できる。席を案内してくれたのはインディオ系が少し入った女の子。そして不安もよぎる。
ここは闘牛の額がかかっているように、店内の装飾を見てもイタリアンというよりスペイン系のレストランである。どうりでスペイン語をしゃべりそうなカメリエラ (ウェイトレス) なわけだ。ふと後ろを振り向くと、テーブルにはホカホカの食べ物がやってきた。うまそうな代物はあれはパエリアだった。「あ〜パエリアも食いて〜」なんて思ったものの失敗は禁物。そしてケツカッチンでもある。
僕はこの店オリジナルのフジッリのパスタを注文した。これは写真を見ていただいてもわかると思うが、ボリュームはあまりないものの、うまそうに見える。そしてナイスな盛りつけだ。期待ができる。生のニンジンが花のように切り取られて、火の通っていないジャガイモに刺さっている。「これも食えるんだよなぁ?」ニンジンの上に刺さっているヘタを取ろうとすると飛んでいってしまい転がっていた。その転がった先にはカメリエラの女の子がいて、笑っている。僕は聞いた見た。「これ食えるのか?」「ニンジンは食べられるけど、ジャガイモはダメよ」
とにかく食べてみた。内容は小エビとキノコ、アサリ、サーモンがクリームソースと一緒になったフジッリ。大好きな具が並んでいるメニューを見て、すぐに決めたのが功を奏したのか? 今回は激ウマだった。ただやはり前述のようにボリュームに難があったのは、セコンド (メインメニュー) を食べさせるためだろうか? でもまわりの一般的イタリア人家庭の親子はみんなそろって割安のピザを注文していた。これ以上は勧められても食えないぞ!
注文したパスタ :
Fusilli della SAMOA (gamberi,porcini,veraci,salmone) - 9ユーロ
SAMOA


