イタリアンスマイルズ

  •  こちらのブログはイタリア在住の映像作家池田剛の撮影する映像とエッセイを掲載しているものです。製作中の映画「GLI ARTIGIANI」の映像を始め、イタリア各地の心温まる映像ビデオポッドキャスティングという形でお届けしています。

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2006年9月 3日 (日)

マンジャ!! - Siena 3

 シエナの街の中心に戻り、マンジャの塔へ登る。前回は天候の影響が出て行けなかったが、狭く人の多い階段を登って頂上まで向かう。僕は高いところは苦手。イメージする事が得意なので、足の下に何もないことを考えると、ちょっとした異変で自分がどうかしてしまう危険にさらされている事に踊らされる。頂上に行ってもはるか地上を見渡せるような階段を登るのもビビっていた。壁越しに右手に持ったカメラを突き出し、地上を撮影するが、少しでも身を乗り出せば恐ろしい。それどころかカメラが落ちてしまうことにすら恐れを成していた。
 それでも何事もなかったかのように撮りきれた美しい写真に心癒され、予定より早い家路につく。どうやらここシエナはいつでも心身ともに疲れさせてくれる街のようだ。


2006年9月 2日 (土)

VIRI - Santa Rocco 3

 テッラコッタの店にもあったレストランのカード。サンタロッコの中心にあり、着いたときにすでに気になっていたので入ってみることにした。当然 12:00 のオープンにあわせて行った。にもかかわらず入ってみるとまだ準備中。座らせてはくれたものの、オーダーを取るまで待ってくれと。田舎だけにペースがゆっくり。ここも家族経営だろう。外の方が気分的にはいいのだろうが、とにかく暑い日だったので屋内で食べることにした。
 こっちは急いでいるのに余裕たっぷりの接客をしてくる。昼だから軽くというのもあるが、ケツカッチンだからパスタを一品だけ頼むことにした。水を頼むと問答無用で 750mlが出てきた。でもこの日は充分だった。がぶがぶと水を飲み干しパスタが出てくるのを待つ。
 でてきたのはマトリチャーナのペンネ。名前はマトリチャーナだけど、モノはアマトリチャーナ。この一日、パニーノしか食べてない体には、食べられる事の幸せが満ちあふれてくる。そして濃い味付けの肉パスタ。どんなもんかいこのレストランと思いきや、このウマさには叩きのめされた。とてつもなくウマかった。サンタロッコなんぞに行く人はいないだろうけど、ここはオススメ

Penne alla matriciana - 5.90
Acqua gassata         - 1.30
Coperto               - 1.30

 無造作に並べられているワインも簡単に手に取ることができるような配置だった。ホールに誰もいないとき、カバンに一本くらい入れて帰っても、誰にも気付かれないだろう。そんな自由な雰囲気だったのも、おばちゃんカメリエラ愛想の良さも満点。気分よく帰れた。



VIRI
Piazza della Repubblica, 16-17
53010 Santa Rocco a Pilli - SOVICILLE(SI)
0577.347757

2006年9月 1日 (金)

隠し撮り失敗 - Santa Rocco 2

 工房から戻る道中、さすがに暑さで倒れそうになり、なんとか日陰を見つけて座り込んだ。それでも心地よい疲労感に撮影のプランを考える余裕もまだあった。工房へ行く途中に道を尋ねたオッサンたちを撮っていなかったことを思い出す。ここサンタロッコのストーリーを語る上で大切なシーンであったことに気がつき、なんとか撮り直せないかと方法を考えていた。街の中心まで来て、道の段差に腰掛け、人の表情を眺めながらイメージしていた。
 もう一度同じ質問をすればいい。すでに行ったことのある場所だが、あえて知らない振りをしてもう一度道行く人に訪ねてみる。これはやらせのような事実だ。しかしやるならここでしかできないことでもある。本編で使うかどうかは別にしても、結果はどうであれ、とにかくやってみることにした。帰りの時間と相談しながら、バスの時間と昼食の時間を逆算してギリギリまで動いた
 声をかけられそうな人はなかなか現れなかった。オッサンのたまり場などは、事が大きくなっても大変だ。車から降りてきた人に聞いてみるのも一つ。店の人に聞いてみるのも一つ。ただどれも決定打がなく、ただたださまよっているばかりだった。中心から外れた緩やかな坂を登っていくと郵便局があり、そこから出てきた親子がいて、迷わず声をかけた
「そこはここから 3kmだ。そこまでどうやって行くんだ?
「何もないから歩いて行くしかない」
「歩き!? アホか! いいから乗れ。連れてってやる
 あまりにも唐突で意外な展開に驚いてしまったが、彼らの帰り際、僕を車に乗せて現地まで送ってくれようとしてくれた。ひからびてしまうほどの天気と距離である。そんなことは彼らも承知していたのだろう。こんなことなら最初からこうなっててくれたらよかったのに。イタリア人もいいヤツはとことん親切である。ここは田舎町だからよけいそうだったろう。
 撮っている事に気がつかれないように、モニターは閉じていた。カメラを回すタイミングがずれ、あとになって誤って操作していた事がわかり、一部始終はまったく撮れていなかった!! 前回シエナに来たときも同じく撮れていなかったことがあった。恐るべしシエナ。
 まだ次を探してみてはいたが、次第に短いリミットは近づいてきた。結局このシーンは撮れず、そのまま昼食をとる事に。


2006年8月31日 (木)

無心に帰れるとき - Santa Rocco 1

 ビビりながらもバスを降りて一応確認してみると、停留所には「Santa Rocco a Pilli」間違いないはず。行き先の住所と電話番号を確認しながら、まわりの標識や番号と照らし合わせる。ここは高台の上の方にある街のようで、眼下に見える風景がとても美しく見えた。
 通りをあちらこちらと歩き回りながらも、イタリアにもあるのかわからないが屋外に設置されているコンセントの差し込みを探す。なんとも運がいいのか。店頭ディスプレイ用の差し込みを発見。早朝だったのが幸いした。中心の通りにも関わらず、人通りも少なく勝手に使わせてもらって何のおとがめもなかった。とはいえこれは撮影班の鉄則を行ったまでの事でもあります。おかげでバッテリーはビンビンだぜ!!
 充電もある程度してまたすぐに動かなくてはならない。どうにも見つからない工房に電話をかけてみる。サンタロッコの先 1kmの所にあるという。1kmであればすぐに着くだろうと先を急ぐ
 特徴のあるトスカーナの平野を横目に、きつい日差しの中を帽子もかぶらずヘロヘロになりながら歩き続ける。行くのはいいが、この来た道を元に戻る事を考えると気が思いやられる。朝なのにこの暑さ。日中もここを歩く事を考えたら、もっときついだろう。
 30分くらい経ち、だいたいもう 1kmも歩いただろうというところに民家が見えてきた。きっとこの辺のどこかが工房なんだと見て回る。ただお店も一緒で看板が出ているはずである事を加味すると、それに見合うところはない。立ち入り禁止区域に入ったり、城方面ではないといわれていたが、城の方へ行ってみたり。この先の道は奥まで見渡せるが、どう見ても先は 1km以上あり工房など見当たらない。どうしようもなく車に乗っていた 3人組のオッサンたちに聞いてみる。
『まだこのさき 1kmだよ』
 おまえらサンタロッコ市民街の位置関係と距離感狂っていないのかっ!!! と、彼らに切れても意味はないわけで、あきれながらも感謝して先を急いだ。車がブンブン飛ばす、日本でいえば国道のような歩道もないぶっきらぼうな通りの端を、風圧で飛ばされそうになりながらカメラ片手に歩く。したたる汗といっこうに晴れてこない眼前。ホントにこのゴールはあるのだろうか?
 さらに30分くらい経ち、自分の来た道を振り返ると気が遠くなる。きっとトータルで 3km以上は歩いたのではないだろうか。サービスエリアが出てきて、すかさず入る。これだけのハードワークなのに昨日の昼から何も食べていない。今朝からは水すら飲んでいなかった。そんな事すら忘れて先に進めるのは、やはり映画のためだからなんだろう。自分が人生賭けているもののためなら無心になれる。そんな胸中にいる自分が誇りにも思える。
 サービスエリアに入ろうとすると、すぐその先に目的の看板が目に入ってきた!! 一気に重荷が降り開放感が訪れる。パニーノをがっついて水を飲み干しいざ出陣!


2006年8月30日 (水)

どこで降りる? - Siena 2

 最悪な夜明け。日が昇る前から眠気がありつつも目を覚ました。ベンチなんぞで寝ている事に嫌気がさし、一刻も早く次の行動に移りたかった。
 朝食をとろうと思い中心に向かっても、時間が早すぎてどこも開いていない。当然である。朝露に濡れたような街並が、前回来た時のような落ち着きのある静かな雰囲気を醸し出していたので、少し撮影してみた。ムービーのバッテリーは問題ないが、突如家を出てきたせいで、デジカメの予備のバッテリーの充電が切れかかっている。なんとかしようにも手を尽くせず、充電するとなれば時間もかかる。どうしようにもないアリ地獄にハマっていっている気がする。
 街の中を回っていると何か象徴的な旗が掲げられている事に気づいていた。それも撮影していた。後になって街の中にたくさんの掲示がされているのを見てわかったのは、この時期ここシエナでは有名なパリオが開催されるのだった。どうりで宿も埋まっている、外人が多い、人も多い、活気がある、カンポ広場の作りも違う。すべてに合点いった
 この日はシエナ郊外サンタロッコにあるテッラコッタの工房に行く予定。初めてでしかもガイドブックのようなナビゲーションなどないところなので、とにかく早めに動いた。朝一でチケットを買い、バスターミナルでバスを待つ。チケット売り場で教えてもらった番号のバスを待つ。ちゃんと来るのか? 目的地にホントにたどり着くのか?
 バスに乗り込むと朝の肌寒さを無視したクーラーの効きように驚いた。と、それよりも自分が降りなければならない場所がわかるかどうかが心配だった。トスカーナ独特のなだらかな平原が現れているというのに、まわりの景色を楽しむ余裕もなく、案外遠くまで行ってしまうのか? という印象だった。サンタロッコの街の中心で降りればいいと聞いていた事だけを頼りに、そんなニオイのする場所で降りてみた。街の中心だからあたりまえかもしれないが、同じ停留所で降りる人もいたので良かった。


2006年8月29日 (火)

ウクライナ戦 - Siena 1

 シエナに着き、街の中心行きのバスを待つが、いっこうに来ない。いくら待っても来ないので安宿を探すついでに、歩きで街の中心に向かう事にした。しかしHOTELの表示のある方向へいくら向かっても、ホテルは出てきやしない。ワールドカップのウクライナ戦が始まる時間にもなり実況の声が街全体にこだましている。人気はなく辺りも暗く、宿を探すのも困難で疲れ果ててきた。
 どんなに歩いたかわからないが、とにかく歩き続けていた。仕方なしにまずは夕飯を、と急な勾配の坂を上り街の中心に行く事に。坂の途中のかなり斜めに立っているレストランからはウクライナ戦を伝える実況が。民家の窓からは「Wooooooooooooo」歓声が聞こえてくると同時に先取点を取った事を確信する。
 中心に着き、食事がとれそうなところを探す。中心だけは今夜はかなり多くの人が外出している。カンポ広場も不思議な作りになっていた。何かあるのだろうか? BARも夜遅くまで開いていて、人々はテレビ観戦をしている。ゆっくり落ち着いて食べられそうなところも見当たらず、思ったよりも食事できる場所がない。同時に宿も探していたが、フラッと入った2つ星のホテルは一晩シングルで75ユーロ (11000円くらい)。外人の老夫婦がレセプションに「ワールドカップの途中経過は?」とたずねても「知らない」という。そんなイタリア人もいた。
 まだしばらく歩き続けてみた。今度は1つ星の宿を見つけ、どう考えても安そうな所だからいける!! と思ったら「今夜は空きがない」きっとこれ以上は望めない事を心に決め、腹ごしらえをすることに。と思えばレストランも閉まる時間。夕食にすらありつけず、ジェラートで我慢した。
 しかしイタリア人はなんともわかりやすい人種なのだろうか? 3度の大歓声があったおかげで中継など見る事もなく、3-0でイタリアが勝ったのがわかった。僕は街のバスターミナル横の公園が落ち着いていて、いい天然の寝床だとベンチで横になっていた。すると車やバイクがクラクションを鳴らしまくって何度も同じところを旋回している。イタリアの国旗を掲げ、大騒ぎ。日本の暴走族の様に一同集い国歌斉唱。ウクライナに勝つのは当然とは誰もが予想するだろうが、確かに上位進出は誇り高い事。気持ちはわかるが、寝るに寝られなかった。
 0:00 をすぎ、静かになったものの人通りはゼロではないゆえ、寝ながらも用心深くする。人の気配がすれば目が覚め、メガネや腕時計にも気を使う。あれだけ日中暑いにもかかわらず、夜中に外で寝ていれば風邪を引きそうな勢いの寒さが襲ってくるのも事実。それでも生きていられる事に感謝して、愉快な人生を引き続き送ってみようと思っていた。


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