ずっと気になっていたレストランがある。夜になるといつも必ず満員になっている。そんなにうまいんだろうか? と今日初めてうちの下のレストランに入ってみた。うちのパラッツォとは別の棟だが同じ建物である。こじんまりとした店内で決して広くはない。かまどもなくピザは出していない、海鮮関係もないパッとしないメニューに目を通して選んだもの。
Spaghetti alla d'Annunzio (acciughe, copperi, pomodoro) - 6.50ユーロ
名前を見てここの近くの通りの名前だから、ここのメインのスパゲティだと思っていた。「ダヌンツィオ」は僕が記憶していただけであって、近くの通りではなかった。ムッソリーニにも影響を与えた作家の名前だった。
とにもかくにも口にしてみたこのスパ。見た目にもパッとしなくて久々はずしたか? と思いきや本日も大当たり。麺が太くて固い。先日コモで食べたパスタに近い感覚。こんなどうしようもない場所で小さいながらも細々とやっていけるわけがわかった気がした。これはいける。
一緒に出てきたパンが焼きたてでバターものっていた。これはめずらしい。



久しぶりにうちの下のアジア食材店に行って米を買った。米は5kgで3.8ユーロ。600円くらいだろうか? 僕はそれしか買い物がないのに、僕の前にいたイタリア人のおばちゃんがいろいろと買い込んでいて、店のあちらこちらから商品を取りにいってはレジに持ってきてを繰り返していた。あまり日本じゃ見かけない光景だろうが、気長にはたから眺めながら待っていた。自国のものでない商品を見ながらあれは何だこれは何だとたずねる。しまいには予算オーバーだからと最後に持ってきた瓶に入った肌につける何かをいらないと言っていた。レジの女も苦笑いしながら僕を見る。その女も間違えてレジを打たずに袋に入れてオバチャンに渡してしまいそうになり、オバチャンが逆に突っ込んでいた。
こういうどうしようもないオバチャンは日本でもいるのだろうけど、この場が日本ではないからだろう。別に僕に愛想をふるうわけでもないオバチャンなのに、何となく微笑ましくもあり「仕方ないなぁ」と思いつつもしばらく待っていられた。時間の価値観を変える事で見えてくる面白さ。せっかちにならずに適当に流すのもこの国で生きていくのに必要な事でもあるのだろう。
アメリカなんかだったらこんな店も巨大なスーパー化しているんだろうけど、アパートを間借りしての個人経営。しかも外国人経営だからここもこじんまりとしている。個が浮き出てくるのがこの国のいいところ。オリジナリティであふれている。僕の肌にもピッタリと合うはずだ。
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