最後の遠野
釜石から遠野に戻って来て夕方、
まだ明るいうちにもう少しこの街を堪能しようと歩いていた。
ここは前々から来てみたかったところで、
今回被災地に行くにも拠点にしたのは正解だったと感じた。
ひとことで人々の優しさに触れられた瞬間が多かったからだろう。
東京にいたトキの方が長かったけれど、
短い東北滞在でそれを感じられたのは土地柄に他ならない気がした。
一人でバス待ちをしていれば下らない話しで声をかけてくる輩に出会い、
静かな街並を歩いているだけで、自然と挨拶を交わす見知らぬ通りすがり。
困っている異人のような僕に足を貸してくれたドライバー。
寒さにコーヒーを差し出してくれる婦人。
まさにリアル宮澤のような気もして来た。
イタリアにいても忘れ去られた何かがこの街には残っているような気がして、
街並を見ているとまだ見えていないものがたくさんあるような気がして、
閑散として寂れているものの、
深い味わいが何なのか垣間みれたような気がして、
また来るべきかも、と思い残す事もあるような気がした。














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